2022/09/22 12:13
“カンナビノイド”とは?
カンナビノイドとは、ヘンプに含まれる薬効成分のことで、THCやCBD、CBNなどをはじめ、150種類あるといわれています。ヘンプには、テルペン類、フェノール類、フラボノイド類など500種類以上の化合物が含まれており、カンナビノイドはそのうちのひとつなのです。
数多くあるカンナビノイド類はそれぞれ異なる特性をもち、組み合わせることで相乗効果を生み出すことがわかっています。カンナビノイドが心身にもたらす効果は多岐に及び、数々の疾患にも効果をもたらすとして世界中で研究が進められています。
“CBD”とは何か?その効果とは?
カンナビジオール(CBD)とはヘンプに含まれる薬効成分の中で最もメジャーな成分です。
現在、WHO(世界保健機構)もその効果を認めはじめているCBDには、身体の250以上の疾患に作用するという臨床や研究が進められています。その医学的な論文は既に1,000を超えています。
CBDの代表的な効果は、次のようなものです。
・抗炎症作用
・抗酸化作用
・身体機能の調整作用
・ストレスの軽減
・睡眠の質の改善
その理由は、人のカラダに元々備わっている身体調節機能「ESC(エンド・カンナビノイド・システム)」と関係があります。ESCは、細胞同士のコミュニケーションの役割を担っており、カラダ中の神経細胞上と免疫細胞上には、「カンナビノイド受容体」が分布して、調節システムを守っています。
過度なストレスや食べ過ぎ、飲み過ぎ、睡眠不足、加齢が原因で、ESCの働きが弱くなっている状態、
「カンナビノイド欠乏症」になっている現代人が多いと言われているのです。CBD(カンナビジオール)を摂取すると、カンナビノイドとしてのはたらきをしてくれるため、本来のカラダの自然治癒能力を高めたり、免疫システムを機能させてくれるようになります。
“CBN”とは?
カンナビノール(CBN)とは、麻に含まれるカンナビノイドの一種で、テトラヒドロカンナビノール(THC)やカンナビジオール(CBD)の分解によって生まれる物質です。抗菌性、鎮痛性、骨形成、抗不眠など、様々な効果があると言われている。
CBNはCBD同様、向精神作用の無いヘンプ由来の希少カンナビノイド成分です。現在多くの研究が進行中の成分でもあり、CBNは特に睡眠緩和に効果があると多くの研究結果が報告されている新しい存在です。
CBDとどう違うのか?
CBDとCBNはどちらもカンナビノイド、つまりヘンプから得られる化合物です。CBNはヘンプに含まれるすべての化合物の中で最も鎮静作用があると言われています。
ヘンプ由来カンナビノイド(CBDやCBN)を分類する場合、ブロード(広い)対ナロー(狭い)で分類ができます。CBDは非常に幅広く効果が報告されてるカンナビノイドで、一般的な炎症緩和から気分の安定までをサポートする可能性があるのに対してCBNは非常に狭く、特に睡眠と不安の減少に貢献すると言われてます。
“CBG”って何?
カンナビゲロール(CBG)はどちらも向精神作用のないヘンプ由来の薬理成分です。2018年に行われたカンナビノイドの研究報告によると、CBGはCBDと同じく体内の同じ受容体と相互作用し、様々な効果があると報告されています。
CBDについてはかなりの量の研究が行われていますが、CBGについてはそれほど多くはありません。今後欧米でのCBGの人気が高まるにつれ、CBGに関する研究が増えるでしょう。
CBGは以下の症状を改善することができると言われています。
*炎症性腸疾患
*緑内障
*膀胱機能障害
*ハンチントン病
*細菌感染症
*癌
*食欲不振
など…
副作用はありますか?
CBGの副作用についてはほとんど知られていません。何らかの薬を服用している場合は、CBGを試す前に医師に確認することをお勧めします。
“CBC”とは何か?
CBC(カンナビクロメン)も、ヘンプ由来の「カンナビノイド」のひとつです。メジャーなカンナビノイドであるCBDやTHCと比較すると知名度はまだまだ低いですが、CBCにも様々な疾患の治療に有望であると考えられています。
CBCは、THCやCBDと同様にCBGA(カンナビゲロール酸)を前駆体として持ち、熱や紫外線などにさらされることにより最終的にCBCへと分解されます。CBCには、THCのように「ハイになる」ような精神作用はありません。
海外では行われている研究では、CBCのもつ作用が疾患に対し有望である可能性が示されつつあります。
*抗癌作用
研究では、複数のカンナビノイド類のなかでCBCはCBDについで高い抗癌作用をもつことが示され、乳がんの癌細胞の増殖を抑えたという結果が示されています。
*抗菌作用
CBCには抗菌作用があることも分かっており、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および抗酸菌対する効果が評価されています。
*抗鬱作用
CBDがうつ病に効果をもたらすのと同様に、CBCにも不安やうつを改善する効果があることが研究で示されています。
*にきび治療
研究から、CBCを含むカンナビノイド類がにきびの原因となる過剰な皮脂の生成を抑制することがわかっています。特にCBCはにきびやアトピーなどといった皮膚疾患の原因となる「アラキドン酸」による脂質合成を抑え、抗炎症作用もあることから、効率的なにきび治療薬としての可能性が示されています。
*脳細胞への効果
2013年に行われたマウス実験では、CBCが神経幹前駆細胞(NSPC)の生存にプラスの影響を与えることが示されました。NSPCは脳機能の維持においてとても重要な役割を果たしており、CBCがアルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患や脳の健康に効果をもたらす可能性が期待されています。
*抗炎症作用
CBCには抗炎症作用があり、THCと組み合わせることでさらに高い効果が得られることがわかっています。研究ではその抗炎症作用により、マウスの大腸炎を改善したという結果も出ています。
CBCはCBDやTHCと比較するとまだまだマイナーなカンナビノイドのため、単体での使用はあまりありません。